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高野さんのタイ人観察

『極楽タイ暮らし 〜「微笑みの国」のどんでもないヒミツ〜』(高野秀行・ワニ文庫・2000)読了。

高野さんの初期の本。内容さらに時間を遡って、1991年から大学卒業後すぐにいったタイのチェンマイ暮らしの経験がもとになっている話。

さすが高野さん!この初期段階から、観察眼と考察(まとめ方)、そして文体も冴えている。

タイへの愛情たっぷりに、いい面も悪い面も紹介している。悪い面といっても、見方を変えれば悪くないということも、教えてくれている。気候がいいと、のんびりした人ができる、その典型のひとつがタイなのかなと。

今から、もう30年近く前のタイだから、その後の経済成長とかを考えると変わった点も多いだろう。それでも通底している気質のような変わらない部分もあるし、その不変の部分もしっかりフォローできている本。

メンツが重要だったり、イエス・ノーが曖昧だったり、やたらと流動性が高い社会だったり・・・欧米との比較でなく、タイという東南アジア圏との比較で、日本の文化的特質の相違に気づけたことは収穫だった。

タイ人と中国系タイ人の真相というトピックが特に面白かった。東アジアということで、中国、韓国、日本を一括りで語れないように、東南アジアと一括りにできないことを、中国系のあり方から見えてくる。インドネシアやマレーシアの「庇だけは貸すが母屋には絶対に上らせない」というスタイルが上手いのか?「庇を貸して母屋を取られても、でも一緒に仲よく暮らし」タイのありかたが上手いのか?どちらか上手いかといえば、タイの方だと自分も思う。