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食文化の新しい流れは、シェフの感性と技術がキモ!

『美食進化論』(辻芳樹・木村結子/晶文社/2002年)

【目次】
1:食文化の交差点 ハンガリー
2:美食の王国に吹く新風 フランス
3:新しい料理の創造 スペイン
4:現実的な美食 アメリカ

【各章のキーワード】
1:ハンガリー
「アルバルドシュ」
「グンデル」
「キシュブダ・ジョンジェ」
〈トカイワイン〉
共産圏崩壊後の食文化復興の動き。西欧に近いだけに類似性の悩ましさと地元客の経済文化的な弱さ

2:フランス
「ル・グラン・ヴェフール」独学人のギィ・マルタン
「メゾン・ド・ブリクール」ブルターニュ地方のローカルとスパイス
「ミッシェル・ブラス」テロワールからブラスのスタイルへの昇華
宮廷料理(オート・キュイジーヌ)とは違う非典型のスタイル。伝統的徒弟制度の枠外から出てきたシェフ達。

3:スペイン
「エル・ラコ・デ・カン・ファバス」 サンティ・サンタマリアの素材主義
「アケラレ」・・・バスク地方
「エル・ブリ」・・・地域性を飛び越えた個人の味覚センス。
普通においしい郷土料理があったために美食が発達しにくかった地で新しい動き。地域性の豊かさとおいしい料理を食べてきた自分たちの味覚への自信。フランス料理を経由しないで“洗練”の美食に到達。料理人が自分なりに哲学をもつこと。

4:アメリカ
「ブーレイ」・・・シェパニスに始まる素材の力を重視する傾向。
「トロッターズ」
「フレンチ・ランドリー」
異なる文化圏の料理のフュージョン(融合)が進んでいる。オリジナルが何か?よりも完成度の高さ、伝統より食べる人の満足度が重要になってきている。

【引用】

夢想家のそしりをおそれずあえて言えば、私は、美食の本質は世界の最良の部分を人と分かち合う喜びにあるのだ、と思っている。(P181)

【この本からの学び】
時代の潮流として、美食の価値は、個々の料理人の創造性(力量)によるところが大きくなってきている。つまり、正統派のレシピやローカリティを越えて、シェフのフィルター(感性と技術)を通したアウトプットとしての料理という価値になってきている。